乳がん手術後の定期検査
乳がん手術後は継続した治療が必要ない場合でも、術後5年間は定期的に経過観察を行います。ただし、術後5年以降の再発も珍しいわけではありません。乳がんのがん細胞は比較的ゆっくり増殖するケースが多いため、安全のためには術後10年間の定期検査をお勧めしています。
検査の頻度は半年~1年ごとです。検査は、問診、視診・触診、血液検査、腫瘍マーカー検査、超音波検査、マンモグラフィ、骨密度検査などを行います。
術後10年が経過したらほぼ完治したと考えられますが、引き続き1年毎の検診を受けることをお勧めしています。
検査費用(保険診療)
※初診で3割負担の場合の目安の金額です。
視触診+マンモグラフィ+超音波 | 約3,800円 |
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視触診+マンモグラフィ | 約2,750円 |
視触診+超音波 | 約2,110円 |
視触診+マンモグラフィ+超音波+骨密度検査 | 約4,040円 |
手術後のセルフチェック(自己検診)
乳房のセルフチェックは手術後にも有効です。手術した部分、温存した乳房、対側乳房(手術をしていない方の乳房)を、毎月1回、日を決めて丁寧にチェックしてください。特に片方の乳房が乳がんになった場合、対側乳房に乳がんができやすい傾向があります。 セルフチェックで気になることがあったら、早めに受診して主治医に相談しましょう。
セルフチェックのタイミングについて
月経がある場合は乳房がやわらかくなってチェックしやすい月経終了後1週間~10日というタイミングで、閉経後は毎月決めた日にチェックしましょう。
手術を受けた側の乳房チェック
へこみ、引きつれ、ふくらみ、しこり、発赤の有無を確認します。乳房温存手術を受けた場合には、乳房にしこりがないかを確認した後、乳頭からの異常分泌の有無も確かめます。
手術を受けていない側(対側乳房)の乳房チェック
しこりや乳頭からの異常分泌がないかを確かめ、皮膚表面を観察して、へこみや引きつれ、ふくらみなどの有無や、ただれなどがないかチェックします。