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2025.02.12

乳がん検診はマンモグラフィーとエコー(超音波検査)どちらを受けるべき?

こんにちは。
関東はお天気が続いていますが北海道や日本海側は大変な地域も多いようです。
受験生にとっていよいよ本番のこの季節、本当に頑張った全国の受験生、そしてそれを見守ったご家族皆様を心から応援しています。

今回は乳腺の検査ではよく知られているエコー検査ついてお話ししつつ、実際乳がん検診ではどちらを受けたらいいの?とよく質問いただきますので説明したいと思います。

★乳腺エコー(乳房超音波検査)の特徴と利点
①乳腺のしこり(腫瘤)の評価ができる
・良性か悪性かを判断する手助けになります
・しこりの大きさや形状、境界、内部の様子など詳しく観察できます
②若年層(40歳未満)や乳腺が密でマンモグラフィーではしこりが見えづらい「高濃度乳腺」の方に有効です
③乳管内の異常(乳管拡張、乳頭分泌の原因)などを確認することができる
④被曝や痛みがない

では、欠点は何でしょうか。
① 石灰化の検出が苦手:ごく初期の乳癌は石灰化で発見されることがありますがこれはエコー検査よりもマンモグラフィーの方が得意です。
② 乳房の全体像を把握するのが苦手
③ 検査を行う医師や技師の経験、レベルに大きく依存するためばらつきが起きてしまう
プローべの当て方や画像の撮り方で病変の見え方が変わってしまうことがあります。
④ 画像の客観性に欠ける:マンモグラフィーのように標準化されたものではないため、
再現性が低かったり、解釈に差が出ることがあります。
⑤ 乳房の大きい人や脂肪の多い乳腺ではしこりが見つけづらい
⑥ 偽陽性の診断が出やすい:つまり良性でも悪性の疑いあり、とされて不安になったり、不要な生検につながってしまうことがあります。

このようにエコー検査にも欠点、つまり課題も多く、一概にマンモグラフィーとエコーどちらがいいのか決めることはできません。
エコーとマンモグラフィーを併用することでお互いの長所と短所をカバーし、より精度の高い乳癌検診となりますが、すべての方に両方必要なわけではありません。
基本は「マンモグラフィーを2年に一度」が大前提ですが、私は患者さんにマンモグフィーとエコー検査を1年ごと交互に受けることをお勧めしています。

ただ、年齢、家族歴、乳腺の密度、検診で指摘されやすい方、ホルモン補充療法をしている方、などそれぞれ状況が異なります。
私はどちらがいいのかな、と思う方は一度乳腺専門クリニックで検診を受け、専門医にアドバイスを受けたらいいと思います。
乳腺専門クリニックでの検診はより精度の高い検診であり、総合判定もできるので安心して受けていただけたらと思います。