ブログ

2024.12.09

日本乳癌検診学会(@高崎)に参加してきました。

こんにちは。院長の白です。

HAKUブレストケアクリニックは無事4周年を迎え、5年目に入りました。

日頃からホームページを見ていただきありがとうございます。

5年目を迎えるにあたり、何か新しいことを始めようと思い、ブログをスタートすることにしました。

私が日々診療を通じて患者様からいただくご質問や不安の声に耳を傾ける中で少しでも役立つ情報や診療で気になったこと、最新の医療ニュースなど、幅広いテーマでお伝えしたいことを気ままに発信していきたいと思います。時間にある時にご覧いただければ幸いです。

これからもHAKUブレストケアクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

 

2024/11/29-30まで日本乳癌検診学会(@高崎)に参加してきました。

今回気になった演題は、

・リキッドバイオプシーによる乳がん検診の可能性について

3Dマンモグラフィー(デジタルトモシンセシス)の検診への応用

・人工知能(AI)と乳がん検診

・ブレストアウェアネスの現状と問題点

など様々な興味深い内容があり、色々勉強してきました。

 

“リキッドバイオプシー”について少し説明します。あまり聞きなれない言葉だと思います。

リキッドバイオプシー(液体生検)とは血液や体液(唾液や尿など)からがん細胞を解析する新しい検査技術です。従来は腫瘍組織を直接採取してがんを診断しますが(乳がんで言えば針生検による組織検査)、血液や体液を採取するだけなので患者さんの負担が少なく、繰り返し実施できるという利点があります。血液や体液に含まれる腫瘍由来のDNA(ctDNA)や循環腫瘍細胞(CTC)、マイクロRNAなどの解析をし、遺伝子異常の種類やがんの性質を知り、治療に繋げることができるようになってきました。

現在リキッドバイオプシーは乳がん領域では転移再発における治療選択目的や微小残存病変もモニタリングのために利用されています。

日本ではリキッドバイオプシーを用いた乳がん早期発見のための検査は行われておりません。偽陽性の問題や費用が高額など、健康な人が行うがん検診への応用はまだ研究段階です。

広告に関しては厚生省の規制がなく、血液や唾液で診断するがんリスク検査の広告は放置されていて問題となっているようです。最近CMでも時々流れていますが注意しなければなりません。がんリスク検査で引っかからなかったから癌は大丈夫とは言えないし、少し高く出たからといって絶対にがんにかかっているわけでもありません。

まずは対策型検診(市のマンモグラフィー検診)や任意型検診(人間ドッグのマンモグラフィーやエコー検査)をしっかり受けることが大切です。